管理職が「罰ゲーム」と言われる理由とは? ~孤立を防ぎ成果を生むマネジメントの鍵~ | 株式会社エヴリック
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コラムcolumn

管理職が「罰ゲーム」と言われる理由とは? ~孤立を防ぎ成果を生むマネジメントの鍵~

「できれば、管理職にはなりたくないんです。」

近年、若手・中堅社員からこうした声を耳にする機会が増えています。
本来、昇進は評価であり期待の表れであるはずです。
それにもかかわらず、なぜ今、管理職は“罰ゲーム”のように語られるのでしょうか。

本記事では、
・管理職が「割に合わない」と感じられる理由
・背景にある時代変化とのミスマッチ
・そして、孤立を防ぎ成果につなげる具体策
を整理しながら、これからの時代に求められるマネジメントのあり方について解説いたします。

管理職が「罰ゲーム」と言われる理由

管理職が敬遠される背景には、「責任と負担の増大」と「やりがいの低下」があります。
かつては昇進=成功の象徴でしたが、現在は「リスクの高い役割」として捉えられる場面も増えています。

管理職が“割に合わない”と感じる3つの要因

①責任は重いが権限は限定的

管理職になると、担う役割は一気に広がります。
特に負担感につながりやすいのが、責任範囲の拡大です。

・業績責任を負う
・部下の育成・評価を担う
・コンプライアンス対応も求められる

一方で、人事権や意思決定権は限定的であり、「責任と権限の不一致」がストレスの要因となります。

②プレイヤー業務との両立

多くの現場では、管理職であってもプレイヤー業務を抱えています。


・目標達成
・顧客対応
・社内調整


これらをこなしながら、マネジメントも求められるため、時間的・心理的余裕が失われやすい状況です。

特に、突発的なトラブル対応や業務の繁忙期には、本来時間をかけるべき部下育成や対話の時間が後回しになりやすくなります。
その結果、「分かってはいるができない」という状態に陥り、自己効力感の低下にもつながっていきます。

③マネジメントスキルの未習得

成果を出してきた優秀なプレイヤーが管理職に昇格するケースは多いものの、
・部下育成の方法が分からない
・部下への仕事の任せ方が分からない
・評価に自信が持てない
といった悩みが頻繁に見られます。

さらに、「自分でやったほうが早い」と感じてしまい、結果的に仕事を抱え込み、部下の成長機会を奪ってしまうといった悪循環に陥るケースも少なくありません。

マネジメントはプレイヤー業務の延長ではなく、別のスキルです。
そのため、学ぶ機会がなければ「やり方が分からないまま任される」状態に陥りやすくなります。

背景にある時代変化とのミスマッチ

キャリア自律の時代への移行

終身雇用・年功序列から、個人がキャリアを主体的に選択する時代へ。
その結果、部下の価値観は多様化し、「一律のマネジメント」が通用しなくなっています。

指示命令型から支援型へ

従来の「指示する管理」から、
「引き出し、支援するマネジメント」への転換が求められています。
しかし、現場では依然として旧来型の手法が残っているケースも多く、ギャップが生じています。

本質的な問題は「孤立」にある

管理職の負担を増幅させている最大の要因は「孤立」です。
・上からは成果を求められる
・下からは理解と共感を求められる
・しかし弱音を吐ける場がない



この状態が続くと、
・挑戦よりも失敗回避
・対話よりも形式対応
・育成よりも業務処理
へと意識がシフトしてしまいます。

管理職を“罰”にしないための3つの対策

①対話力の強化

管理職が抱えがちな「孤立」は、周囲との関係性の質によって大きく左右されます。
その関係性を変える鍵となるのが、対話です。

対話とは単なる雑談ではなく、

・相手の背景理解
・問いによる思考促進
・相互理解の構築

を目的としたスキルです。

学習機会の提供

管理職には、役割に応じた体系的な学習が不可欠です。

マネジメントは、
・目標設定や評価
・部下育成(コーチング・フィードバック)
・関係構築(対話・信頼形成)

といった複数の要素が相互に関連しながら機能します。

これらを体系的に学ぶことで、自信と再現性が生まれます。

③横のつながりの構築

同じ立場の管理職同士で悩みを共有できる場を設けることで、孤立を防ぐことができます。

例えば、他部署の管理職と定期的に情報交換を行うことで、自身の状況を客観的に捉え直すことができたり、新たな視点や対応方法を得ることができます。

「自分だけではない」と感じられること自体が、心理的な負担の軽減にもつながります。

まとめ|変化の起点は管理職から

管理職は組織の縮図です。

その関わり方ひとつで、
チームの空気も成果も大きく変わります。

「管理職は罰ゲーム」と感じられるのであれば、
それは個人の問題ではなく、環境と支援の問題であると言えます。

 

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この記事の筆者

株式会社エヴリック シニアコンサルタント
青木 早智子

大学卒業後、ベネッセグループのコールセンター運営会社である株式会社テレマーケティングジャパン(現・セコムグループ 株式会社TMJ)に入社。コールセンターのSV(スーパーバイザー)やQA(品質管理)職を経験した後、2010年より人材開発部門へ異動し、約12年間にわたり社内研修の企画・開発・実施に従事。これまでに延べ1万人以上の従業員に対して研修を実施する。

自身がキャリアに悩んだ経験をきっかけに、2014年にコーチング資格を取得。さらに2019年には国家資格キャリアコンサルタントを取得し、社内外においてキャリアカウンセリングやコーチングを行う。

現在は株式会社エヴリックのシニアコンサルタントとして、若手社員から管理職まで幅広い階層を対象とした研修・人材育成支援に携わっている。

【保有資格】
・国家資格 キャリアコンサルタント
・国際コーチング連盟(ICF)認定アソシエイトコーチ(ACC)

公開日: